配偶者居住権と相続税の関係とは?デメリットはある?
配偶者居住権と相続税は常に表裏一体の関係にあります。
配偶者居住権を適切に活用することで相続後の安心な生活を実現することはもちろん、相続税の金額を抑えることもできます。
本記事では、配偶者居住権が具体的に何であるか、デメリットはないのか、そして相続税との関係について解説します。
配偶者居住権とは?
配偶者居住権は、死亡した被相続人が所有していた自宅不動産に対し、存命の配偶者に居住権を認める制度です。
『配偶者居住権』の名称のとおり、配偶者以外の子供など他の相続人が主張することはできません。
これにより、遺された配偶者は、不動産の売却や他の相続人からの立ち退き要求などの相続に関する不安から解放されます。
そして、これまでと変わりなく住み続けることができます。
配偶者居住権は、遺言によって設定されることが一般的ですが、相続人全員による合意(遺産分割協議)があった場合でも設定することができます。
配偶者居住権にデメリットはないのか?
配偶者居住権には、資産としての価値が凍結されてしまうというデメリットが存在します。
具体的には、配偶者居住権が設定されている不動産は、売却や賃貸が難しくなります。
そのため、例えば、老後に息子の自宅に居候するなど実質的に移住した場合や老人ホームに入居した場合などにおいても売却や賃貸をスムーズに行うことができません。
こうした不動産としての価値を活かせなくなる点が配偶者居住権のデメリットです。
配偶者居住権と相続税、どういう関係?
配偶者居住権と相続税の関係は、節税というキーワードで語られることが多いです。
具体的には、配偶者居住権と特例制度を活用することで、相続税の納税額を抑えることができるという議論がよく取り上げられます。
まず、配偶者居住権を利用しても相続税自体はかかります。
しかしながら、小規模宅地等の特例や配偶者としての相続税控除額が大きいことから、他の相続人よりも相続税額は少額になります。
そして、配偶者居住権を利用した節税策は2次相続がキモとなります。
それは、配偶者が亡くなった時の相続でこの節税策の効果が発揮されるということです。
通常の相続であれば、1次・2次相続で二度課税されるタイミングがあります。
しかし、配偶者居住権を利用すれば、1次相続で子どもには所有権を相続させ、二次相続では配偶者居住権に対する課税そのものを無くすことができます。
これにより、トータルの納税額を抑えることができます。
このように、配偶者居住権と相続税には節税策としての関係が存在します。
しかしながら、誰でも配偶者居住権を利用すれば、節税になるというわけではないので、注意が必要です。
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- 同志社大学卒業。金融機関に就職後、運用や企業の財務コンサルティング業務に従事。実家での相続を機に31歳で会計業界に転じる。相続専門の税理士事務所に5年間勤務の後、アーム税理士法人を設立。
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大阪の会計事務所でマネー ジャーとして幅広い業種の顧問を担当するとともに、多数の相続税申告も担当し、10年勤務。
相続専門の税理士事務所に5年間勤務の後、アーム税理士法人を設立。
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