相続手続きの流れ

相続が発生した場合、各種の相続手続きを行います。相続手続きでは、①相続の開始、②遺言書の調査、③相続人の調査、④相続財産の調査、⑤相続放棄の判断、⑥準確定申告、⑦遺産分割協議書の作成、⑧相続税の申告、⑨相続預貯金の解約・相続不動産の名義変更・その他財産の名義変更の手続きの９個の手続きが必要です。

①相続の開始日
全ての相続手続きの基準となる日は、被相続人の死亡日です。手続きの期限であったり、相続税の基準となるのもこの日です。

②遺言書の調査
相続手続きにおいて、遺言書は大変重要です。早期に遺言書の調査を行い、相続をどのように進めていくべきかを決められるようにしておきましょう。

③相続人の調査
法律上の相続人の範囲を確定する作業になります。相続人の調査を進めていくと、被相続人の前妻との間に子供がいたり、知らない人を認知や養子にしていたりなどという事態が起こりえます。相続人の範囲がわからないと、手続きが進まなくなってしまうこともありますので、早めに法律上の相続人の範囲を確定させておきましょう。具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めることで相続人の調査を行います。

④相続財産の調査
相続財産には、預金や不動産といったプラスの財産だけではなく、借金や住宅ローンといった債務も含まれます。被相続人がどれだけの財産を持っていたのかがわからないと、遺産分割協議が進みません。それだけでなく、債務が財産を超過してしまうことがわかれば相続放棄の検討もしなければなりませんので、しっかり調査する必要があります。

⑤相続放棄の判断
相続財産について、債務超過する場合は、相続放棄の検討を行いましょう。相続放棄をするためには相続があったことを知ってから３ヶ月以内に遺産の調査を行い、相続放棄の書類を集めて、被相続人の住所地の家庭裁判所へ申し立てを行わなければなりません。時間的に厳しいので注意しましょう。

⑥準確定申告
準確定申告とは、被相続人が所得税の確定申告が必要だった場合に行う手続きのことを指します。

相続の開始があったことを知った日の翌日から４ヶ月以内に行わなければならないことに注意してください。

⑦遺産分割協議書の作成
遺言書がない場合には、今までに調査した相続財産から、相続人全員で誰がどの財産を相続するのかについての話し合いを行います。

もし、相続人間で話がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停を利用するという方法もあることを覚えておいてください。

⑧相続税の申告
遺産総額が相続税の基礎控除額を超える場合や、相続税の特例などを利用しようとする場合に、申告が必要となります。

遺産総額が相続税の基礎控除額を超えないような場合は、特に手続きをする必要はありません。

この相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から１０ヶ月となっていますので、注意してください。

⑨相続預貯金の解約・相続不動産の名義変更・その他財産の名義変更
遺言書又は遺産分割協議の内容に従って預貯金の解約手続きや払戻し手続き、不動産の名義変更などを行うことになります。

この名義変更には特に期限の定めはありません。

以上のように、相続には様々な手続きが必要です。それだけでなく、相続には、専門的な知識も必要ですので、税理士にご相談するのも一つの手段です。相続に関してお困りの際はぜひアーム税理士法人にご相談ください。

アーム税理士法人では、京都府、大阪府、滋賀県、奈良県を中心に「相続税申告」「節税対策」「税務調査」などに関する税務相談を承っております。「相続手続」に関してお困りのことがございましたらお気軽に当事務所までお問い合わせください。